5.タマだって風邪をひく
タマの世界征服
 
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  5.タマだって風邪をひく
 

ここ数日、寒い日が続いている。曇がちな天気で日向も少ない。日が隠れるととたんに寒く感じる。

「タマちゃん、寒い日が続くね~」

「そうなんだよね、シロちゃん。」

縁側というこの場所が生かされていない事が腹立たしいタマだった。

「クシュ、クシュ…」

日が隠れるたびに寒さにゾクゾクするタマ。

「クシュ!」

「あっ、タマちゃん鼻水が出てるよ。」

口の上に伝って流れる冷たいものに驚いた。

「何にゃ?」

「タマちゃん、風邪ひたの?」

「風邪って…」

タマには初めての体験だ。シロちゃんが起き上がり言った。

「風邪って病気なのよ。すぐに治ると思うけど。暖かくして寝てね。今日は日向もあまり期待できそうにないし寒いから帰るね。」

「そうだね、寒いよね。」

「タマちゃん、早く風邪を治してね、またね~」

「またね、シロちゃん」

ゾクゾクと寒くて、くしゃみして鼻から水が出るのは病気というものかとタマは思った。確かに気分いいものではない。

「タマ~」

「クシュ、クシュ…」

タエちゃんがタマを見つけてすぐに言った。

「あら、タマったら鼻水が出てる。」

タエちゃんは笑いながらタマを抱きかかえ暖かいこたつの部屋へ連れて行った。

「タマ大丈夫よ、暖かくしてるといいからね。」

いつもなら逃げるタマも、今日は大人しくタエちゃんの膝で寝ることにした。

「クシュ。」

ティッシュで鼻を拭かれるタマだった。


                         
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